社外商品企画部:新商品開発プロセスを大公開!Part3コンセプトが確定!味もネーミングも大詰めに
「社外商品企画部」舞台裏大公開のPart3。ついに仮称が決定!味も最終段階に入り、完成形が見えてきました。
2000人超の女性が所属するコミュニティ「女子マーケ部」。年齢・属性・居住地などバラバラなメンバーだからこそ生み出せる斬新なアイデアが多くの企業からご好評いただき、これまでイベント企画や商品モニター、サンプリングなど数々のプロジェクトに携わってきました。
そんな女子マーケ部が山形県の老舗のおせんべいメーカーさんから新しいお煎餅の開発依頼を受け動き出したのは約半年前。
条件は3つ。
- ロングセラーになるもの
- 30分語れるもの
- 社会の課題解決につながるもの
これ以外はコンセプトも方向性もすべて自由ということで、メンバー同士で話し合いを重ね、ついに商品の全容が見えるところまで漕ぎ着けました。
今回は完成一歩前のブラッシュアップの様子を皆さんにお届けします。
※Part1、Part2の記事はこちらからご覧ください。
まずは仮称と副題を決定!
- 30分語れる商品
- 世の中の課題解決になる商品
というテーマのもとでスタートした商品開発。女子マーケ部のメンバーが5つのチームに分かれ、さまざまなアイデアを出し合い、コンセプトをもみ込むこと約5ヶ月。2000人を超える女子マーケ部員たちによる投票も行われ、ついに仮称と副題が決定しました。
正式名称と最終コンセプトの決定前に仮称を決めた理由は、女子マーケ部が良い意味で「普通の女性たちの集まり」だから。
商品開発のプロでもなければ、食品産業の従事者でもない、良い意味で消費者感覚を持ったメンバーが気持ちを一つに合わせ、商品作りに取り組むために、話し合いの中盤で仮称を決めました。
これにより、ゴールのイメージが明確になるとともに、商品がスーパーに並び人々の手にわたる様子が鮮明に。メンバーたちも誇りと責任感、そして発売日へ向けたワクワク感が増してきた様子。
また機能面は
- 安心安全な素材
- 美容と健康に良いもの
- 災害用保存食にも最適
という条件を満たすものを作り上げることに決定。
機能の中でも「災害用保存食にも最適」は今回開発する商品の特異性といえるでしょう。世の中の防災意識の高まりに応えたい、災害時でもできるだけストレスを減らして過ごしたいといった消費者目線の「生活の備え」がコンセプトに盛り込まれました。
女子マーケ部には防災士もいるので、災害用保存食とはどのようなものかをリサーチしてみると
- あまり美味しくない
- パッケージがオシャレじゃない
- 手にとってみたいと思うものがない
など見えてきた世の中の声。
そこで今回は、「普段おいしく食べられて、つい手に取ってみたくなるパッケージ」であるにもかかわらず、災害用に備蓄もできるという機能性を持たせた商品を完成させることになりました。
そして、「普段食べ慣れているものを災害時も食べられたらいいよね」という声に応えられるよう、ローリングストックも大切なキーワードになりました。
テーマカラーは「くすみ系」
パッケージは携帯しやすいようにジッパーバッグか個包装。これまでの会議で災害備蓄用に缶入りのものを作りたいというアイデアが出ていましたが、まず第一弾は袋入りで進めることになりました。
色合いはバッグから取り出したときにオシャレに見えるものをということで最近女性の間で人気の「くすみカラー」に決定。
これは女子マーケ部員からだけじゃなく、酒田米菓さんの女性社員の方からも出てきた声なんですけどね。 職場とか電車の中でぱっと出した時に「かわいいお菓子、出てきた」ってなるようなパッケージがいいなということで話が進んでいます。
洋服や雑貨、リネンなどではよく見かけるくすみカラーですが、調べてみると食品パッケージにはあまり使われていないことも判明。スーパーのお煎餅売り場に並んだ時に、他の商品に埋もれてしまうことがないという点も、くすみカラーのアドバンテージになると踏みました。
煎餅生地には野菜を練り込み
商品開発の当初から多くのメンバーが口にしていた3つの希望
- 体に良いものを作りたい
- 廃棄野菜を活用してフードロスを減らしたい
- カラフルな色合いにしたい
これらの希望を叶える方法として、お煎餅には野菜を練り込むことに。残念ながら廃棄野菜は入手ルートの確保などの関係で発売開始に間に合わないため、今回は通常の野菜を使用しますが、将来に向けて可能な限り取り組んでいく予定です。
また練り込む野菜はカラフルな出来栄えを期待してビーツ・カボチャ・ほうれん草など色鮮やかなものが提案されました。
しかしここで、一つの問題が。
なかなか焼き色に反映するのに苦戦しています。
完成まではまだまだ改良を重ねていきますが、お煎餅自体でカラフルさを出しきれない部分はパッケージのデザイン性で補い、商品イメージを視覚化していこうということで、この点は持ち越しとなりました。
多様な用途とオシャレなパッケージで
バイラル効果を狙う
用途は多様。
・自分用
・プレゼント用
・手土産用
・災害時用
パッケージは、上記すべてのシチュエーションに見合うデザインを考えていこうという、欲張り仕様。
このお菓子、ちょっとオシャレだよねってなると、人にあげたくなる。そうすると商品の認知度に広がりが出てくるよね。
酒田米菓さんの社長からかねて依頼されていた「30分語れる商品を生み出してほしい」という要望に関しては、女子マーケ部の強みが存分に発揮されました。
なにせ「普通の消費者」が2000人もいるコミュニティ。自分が欲しいお菓子・子供が好きなお菓子・高齢の親が好むお菓子などさまざまな視点から多種多様な意見が出され、それらを可能な限り商品開発に盛り込んだ結果、ゆうに「1時間でも語れる商品」が完成。
お友達に語ってもいいし、SNSでつぶやいてもいいし。実際に購入してくれた人がお友達に「これ美味しいよー」って進めるときにも、ぜひ語ってもらいたいよね!。
ネーミングの最終候補が出揃う
仮称の決定からさらに話し合いを進めること数週間。開発作業もいよいよ佳境に入り、正式名称の最終候補が出揃ったのは12月のこと。プロジェクトスタートから実に半年の時間をかけ、みんなで大切に練り上げてきました。
メンバーから提出されたネーミング案は全部で34個。そこから8案まで絞り込み、さらに投票で3案に。その3案を酒田米菓さんにお伝えし、最終決定をお願いすることになりました。
- あえて捻りを加えず、誰もが理解できる「山形やさいせんべい」
- お煎餅を「チップス」と表現し、美容と備蓄を掛け合わせた「美ちっぷす」
- 流行り言葉になりやすい4文字を意識した「ベジパリ」
など、ネーミングセンスの幅の広さも、大勢のコミュニティメンバーを擁する女子マーケ部の腕の見せ所。
あえてプロを使わず、「アマチュア感覚」を活かしたネーミング案だからこその親しみやすさが溢れ、酒田米菓さんにも、大いに満足いただけました。
味や食感は試作品で
問題点を洗い出し
味や食感は酒田米菓さんに試作品を数種類作っていただき、全国に住むメンバーの自宅へ発送。1回目のアンケートで出た意見をもとに改良版を作っていただき、さらにアンケートや投票を重ねました。
試作のお煎餅は素焼きと塩味付きの2種類。
などなど、自宅で試作品を食べるからこそ出てくる率直な意見の数々。
といった、楽しみ方のバリエーションに取り組むメンバーも多数。
と、試作品を食べながらパッケージ案も多数、出てきました。
将来的な展開として、食べ方のアレンジレシピをSNSやYouTubeで紹介したり、消費者が自由に投稿したりしてくれるようになると、自然とこのお煎餅のファンが増えていきロングセラーとして愛される商品になっていく可能性が高まります。
そのためにもまずは第一弾でしっかり消費者の認知を得ることが重要。最初から数種類作ろうと欲張らず
- 核となる味を一つ決める
- 思わず手に取りたくなるようパッケージデザインにはとことんこだわる
と課題を明確にしたところで、ネーミングと味の決定は次回に持ち越されました。
いよいよ、次回ネーミングが決定。プレスリリースも控え、クライマックスが近づいてくる様子は、Part4の記事で紹介します。