ストックできて体に優しい!2000人の女性の声から生まれた新感覚の煎餅がついに発売
山形県の老舗米菓、酒田米菓株式会社と女子マーケ部がタッグを組み開発した、新感覚のせんべい「美ちっぷす」がついに発売になりました。
「女性ならではの感性を活かした、まったく新しいせんべいを考えてほしい」と依頼を受け、およそ一年を費やして生み出した「美ちっぷす」。
コンセプトから味・パッケージデザイン・ネーミングにいたるまで、すべてを女子マーケ部が決定しました。
- 体に良い
- おしゃれ
- 社会課題を解決する
と一見、せんべいとは無関係に思えるコンセプトを見事に網羅する商品が誕生。
この記事では、プロジェクト始動から完成までの裏側を、酒田米菓 代表取締役社長、佐藤栄司氏と企画開発担当、今野啓明氏のインタビューを交えてお届けします。
山形県産うるち米と北海道産カボチャを使用。
カボチャの甘さと醤油の香ばしさがあとを引く美味しさ。
食物繊維入りで体にやさしく、スキマ時間に小腹を満たすのにちょうど良い一口サイズ。
チャック付きパッケージで、災害時用の備蓄にも最適。
40g。270円。保存は6ヶ月可能。
会社員・主婦・経営者・フリーランサーなど、多様な属性の女性が所属するオンラインコミュニティ。メンバーは2000人以上。
イベント企画の提案・商品モニター・企画会議への参加など、さまざまな形で企業にアイデアを提供。
デザイナー・作家・アーティストなどもメンバーに擁し、素人感覚からプロの仕事まで、バエラティに富んだ形で企業に貢献。
酒田米菓が女子マーケ部に託した思いは「社会課題の解決」
今回、女子マーケ部が依頼を受けた酒田米菓は、昭和26年に山形県酒田市で創業。せんべいを主としたスナックメーカーとして、東北のみならず全国で長年愛されています。
「地元の特産品を守りたい」との思いから、山形県庄内地方の米を使ったせんべいを製造。伝統を守りながら、新しい美味しさに挑戦し、幅広い世代へせんべいの魅力を届けている企業です。
これまで自社で商品開発を行ってきた酒田米菓にとって、外部への企画依頼は初めての試み。
なぜ女子マーケ部とのコラボレーションに踏み切ったのでしょうか。
おせんべいは「ただのオヤツ」と思われるかもしれませんが、消費者の皆さんが生活の中で手にとってくださるものですから、なにか「社会課題の解決につながるもの」を作りたいと思いました。
女子マーケ部は、日本全国に住む会社員・主婦・経営者などさまざまな属性の女性が所属していると聞いています。
皆さんが普段、どんなことに問題を感じているのか、そしてその問題に、どうおせんべいで応えられるかを徹底的に考え抜いた商品を作りたいと思い、依頼しました。
女子マーケ部は毎月行われる定例会などを通して、社会問題や世情について学ぶ機会も多いため、「社会課題の解決」はメンバーにとって大きな関心事。
そして、メンバーから真っ先に出てきたアイデアがこちら。
避難生活はストレスがかかるものですが、お気に入りのお菓子を非常食と一緒に備蓄できたら、少しは気分をほぐすことができるんじゃないでしょうか。
自然災害はすべての人に関わる問題であり、それぞれが備えに取り組まなければいけないもの。
この問題に取り組もうという意見に一同が賛成し、「備蓄」が商品開発の重要なキーワードとなりました。
世の中に広めたい
「ローリングストック」
という考え方
食料を普段から少し多めに購入しておき、消費期限が来る前に日常生活で消費。
食べた分だけ買い足すことで、常に一定量を家庭でストックしておくのが「ローリングストック」。
「備蓄」の意味も兼ねてネーミングされた「美ちっぷす」はローリングストックに最適な仕様になっています。
女子マーケ部から、「災害時にも美味しいものが食べられると、気分がほっこりしてストレスの軽減につながるので、備蓄できるおせんべいが欲しい」というご意見をいただきました。
しかし、災害時用の備蓄食料となると、保存期間3〜5年を意識する必要があります。
これは大変だぞと思ったら「ローリングストックを推奨すればいいんですよ」と教えていただきました。
最近は災害時の避難袋を用意している家庭が増加傾向。
家庭用避難袋は半年に一回くらい中身を点検し、古くなりそうなものは食べてしまい、新しいものを入れ直すのが基本です。
これはぜひ、皆さんにやっていただきたいですね。
商品に込める「思い」が
ロングセラーの秘訣
「社会課題の解決」と併せて、酒田米菓が大切にしている精神が「30分語れるストーリーを持った商品作り」。
自分が子どものころ食べていたお菓子を、子どもが食べて育ち、いまは孫が食べていると思うと、素敵じゃないですか。
ですから、私は大ヒット商品にならなくていいので、ロングセラーになるものを作りたいと思っています。
そのためには商品に込める思い、物語が大切です。
愛情を込めて作った商品はきっと長く楽しんでいただけると信じているので、まず企画の段階から、30分でも1時間でもストーリーを聞かせて欲しいと社員に言っています。
女子マーケ部にはさまざまな価値観を持った女性が所属しているため、30分どころか1時間でも2時間でも語れる、熱い思いを込めた商品を考えるのはお手のもの。
- 食物繊維入りなど機能性を持たせ、美味しさだけでは満足しない美意識の高い女性の欲求を満たすもの
- 働く女性がデスクの引き出しに忍ばせておいてもオシャレに見えるもの
- 仕事や家事の合間に小腹を満たせる食感とサイズ感
- 災害時に気分をホッコリさせてくれるもの
などなど、さまざまなニーズとシーンにマッチする贅沢仕様のせんべいとなった美ちっぷす。
その結果、多くの方の生活にフィットする商品ができたと思います。
美味さ・機能性・見た目
通常の倍以上の試作で妥協なき開発
女子マーケ部のアイデアを余すところなく形にしようと、美ちっぷすの開発には通常の倍以上の回数の試作が重ねられました。
そう話すのは企画開発担当の今野啓明氏。
当社は着色料を一切使わず、自然素材だけで製造していますから、発色の良いおせんべいを焼き上げるのには、かなり苦労しました。 また、お米本来の旨味と野菜の味の両方を引き立たせるのも、なかなか大変でしたね。
試作品は全国に住むメンバーの自宅に発送され、何度も試食を行いアンケートをとり、最終的に味・見た目・機能性のすべてを満たすものとしてカボチャが選定されました。
開発の段階から食べ方のバラエティまで考えられるのは、女子マーケ部ならではなんじゃないでしょうか。
「砕いてクルトンのようにサラダにかける」なんて、すごく面白いアイデアだと思いました。
消費者が自由にオリジナルの食べ方を楽しんでくれたらと話す今野氏。SNSで披露しあって盛り上がってくれればと期待を膨らませます。
今後のシリーズ化に期待
今後、季節に合わせた野菜で第2弾、第3弾を出していきたいですね。
今回、女子マーケ部の会合では「将来のシリーズ化のしやすさ」まで話し合われていました。
- 災害備蓄というテーマの普遍性
- 子どもから年配の方まで親しめる味
- オフィスでも家庭でも食べやすいサイズとパッケージ
- 健康志向に応える機能性
こういったコンセプトを明確にすることで、今後の商品展開の可能性は無限に広がっていきます。
画像引用:楽天市場
美ちっぷすは、酒田米菓・直営店のほか、公式オンラインショップや楽天市場でも購入可能。
SNS「Instagram」にも消費者の声が集まり始め、早くも全国で楽しまれている美ちっぷす。酒田米菓と女子マーケ部の初のコラボレーションは最高の滑り出しを見せています。
地元密着の老舗米菓が担う使命
日本の素晴らしい米文化を次世代へ
東北の老舗米菓として有名な酒田米菓は、噛む力を鍛えることで健康増進を目指す「カムフィット」や、体づくりのために炭水化物を控えている人も気軽に食べられる「ミライオニギリ」など、健康志向の商品開発にも力を入れています。
斬新なアイデアで年齢・性別問わず、多くの人に親しまれる商品開発を続ける酒田米菓ですが、佐藤社長には「せんべい作り」にとどまらない強い信念があります。
9割は地元の庄内地方産うるち米ですが、米農家というのは、年々減っているんです。
生産コストの上昇や後継者不足などを理由に、倒産や休廃業する農家は年々増加し、2024年には過去最高を記録。
JAを中心に新規就農支援の取り組みが進められていますが、資材高騰で農家が経営をあきらめざるを得ない状況が続けば、将来的にコメが安定的に供給されなくなる可能性も考えられます。
コメを主原料とするせんべい作りに長年携わっている酒田米菓は、この問題にしっかり取り組み、社会へ向けてアクションを起こしていく使命があると佐藤社長は言います。
お米を主原料とするおせんべいは、食料問題・健康問題・環境問題といった、さまざまな社会課題に一石を投じられる存在なんです。
そういうことをしっかり発信していって、日本の素晴らしい米文化を確実に次世代へと繋いでいきたい、それが私の願いであり、当社の使命であると思っています。
強い信念と使命感を持ってせんべい作りを行う酒田米菓。「明日を今日より少しでもいい世の中にしたい」と願う女性が集った女子マーケ部。
両者の思いが合致したことが、今回の商品開発の成功に繋がったと言えるでしょう。
詳しい開発プロセスは以下の記事でご覧いただけます。ぜひ合わせてお楽しみください。
社外商品企画部は今後も、さまざまな企業へアイデアを届けていきます。