前半:勝負しやすい商品はズバリこれ!海外市場は日本にいても調査できる
グローバル市場への挑戦は、企業にとって大きな飛躍のチャンス。しかし人脈のない海外で、言語・文化・法律・物流など、越えるべき壁も多く、なにから始めればいいのかと頭を抱えている人も多いでしょう。
そこでこの記事では、資金力のない小規模企業や個人でも、安心して海外展開の一歩を踏み出せるよう、基本のステップから成功のヒントまでをわかりやすく解説します。
いますぐ実行に移せる具体的な方法が満載。メリカリの海外進出を成功に導いた清田享平氏が教える、「時間もお金もかけない海外人脈作りの方法」は必読です!
※この記事は、2025年7月5日〜9日開催、横辻悠太氏主催のオンラインフェス
「事業家から教育を変えるフェス」のプレセミナーとして行われた鼎談を収録したものです。
目次
海外で勝負しやすいのは無形より有形

そういう思いから、大人が学ぶような教育を子どもたちも学べる環境を作っていきたいと思い、フェスなどを企画しています。
その後、僕の実家は飲食店をやっていたので、いつか経営に携わりたいという思いがあって、ビジネスの世界に来たという感じです。
自分が描いてきたことや思いは現実化すると、毎日実感していまして、いまも自分がやりたい事業や面白そうと思ったことに日々挑戦しています。
やっぱりいまも僕はサッカーでいうと、現役でピッチに立っているという感じです。


実際に住んでみないとわからないことが、たくさんあるので、住んでみて「あ、この国はこんな感じなんだ」と、あれこれ感じています。
その国の「お困りごと」や伸びそうな分野を実際に体感しながら生活しているという感じなんですが、本社は沖縄にあって、B to B事業をオンラインだけで行っているという感じです。
あと「セカイジュチャンネル」という最近始めたYouTubeチャンネルがあって、いまは登録者数が4000人を超えて、毎月のように1000人ずつくらい登録者が増えています。


前編:海外スタートアップ分析から投資のヒントを見つけよ!
後編:スタートアップ投資は筋トレと一緒!?



ニーズがあるので、それをどう海外展開していくかなど、幅広くやってますね。直近だと日本の伝統工芸の「刀」を海外展開しています。ECでやってるんですけど、利益率が40〜50%出るんで、月で二桁億円くらい動くような事業のサポートをしたり。


日本の伝統工芸のダルマってもともと赤いですけど、海外の視点を取り入れてポップなカラーにして、デザインもクリエイティブなものにして。
普通に日本で売られているものの30倍くらいの価格で展開してるんですよ。Fortune(ラッキーアイテム)という切り口もあるし、お土産にもなるしっていうものが流行ったりするんで、実は「伝統工芸」や「伝統文化」みたいなものがすごく海外でニーズがありますね。

画像引用:Tokyo Lollipop公式サイト

そういうものを部屋の片隅に置いて、ヨガとか瞑想するようなスペースを作るみたいなニーズがあるらしくて。日本の文化的なものって海外で面白いって思われるんだなって思いました。




中国系のサービスアプリですけど、あれ以上のものを日本で作ろうと思ったら難しいわけですよね。TikTokはバイトダンスっていう会社ですけど、超優秀なエンジニアが約56万人いるって言われてるんです。


僕もそうですけど、皆さんも携帯のホーム画面に並んでるアプリってほとんど、日本製じゃないですよね?




弱みの克服より強みを活かす



これは商品も一緒で、日本の良さ、クールジャパン、それぞれの良さを磨き込んで、いかにジャパナイズするか、グローバナイズするかっていうほうが商売しやすいと思いますよ。


単に同じカラーでいくよりも、アメリカの文化や競合を分析をして、フォントやカラーを変えようってことになったんですよね。海外では利用者のターゲットも違うので、見せ方は変えなきゃいけない。
そもそも「Mercari(メルカリ)」ってアメリカでは発音できないですよね。「マーカリー」ってなっちゃうから。

画像引用:Mercari公式サイト

例えば出品ボタンって日本とアメリカでサイズ変えてるんですよ。親指の大きさが違うんで。細かいですけど、やっぱり使いづらかったりするんですよ。
そういう細部にこだわったりするのって、けっこう大きいですね。

食品の輸出は法的な難しさも

むちゃくちゃポテンシャルがすごいって感じで、商品が不足してる状態。抹茶って「MATCHA」ってそのままアルファベットで書かれてて、もう完全に海外でも浸透してるんです。


あとは「おから」とかですかね。アメリカは糖尿病が多い国なので、健康食っていうことで「おから」とかの大豆食品ってけっこう海外で取り上げられたりしますよね。




現地で雇用を生んだり、現地に利益がもたらされたりっていうところまで考えないと、大きな展開は難しいんじゃないかなって。
あとは化粧品であったりとか、薬品まではいかないけどコスメ系なんかは、検査が非常に厳しい国が多いなっていうのを、すごく感じるんですよね。



そういう意味で、日本の伝統工芸って海外に出しやすいなって思いますね。

手に取った人をどんな気持ちにさせたいか

船ですごい数のたこ焼きを送ってる日本人がいるんですけど、為替差がうまくいくとむちゃくちゃ儲かるみたいで。海外展開するときはその辺もしっかり考えないとって思うんですけど。


アメリカでもイギリスでも、多民族国家ではいろんな文化の方がいるので、価値観を尊重する国なんですよ。その価値観や文化を踏まえた共感を得るストーリーラインが大事。
ダルマだったら、ただ「製品のダルマだよ。どうだ、海外の人」っていうよりも、「このダルマっていうものは、群馬の小さな街でおじいちゃん、おばあちゃんが1年かけて作ったものだよ」っていうほうが「おっ!」ってなって30万円でも買うわけですよ。


どういうことで作られたか。生産者のどういう思いがあって作られたか。群馬の高崎はどんなところで、工場ではどんな人たちが働いていて、海外ではどんなふうに手に取ってもらいたいか。
手に取った人をどんな感情にさせたいか、そういう現場の声を伝えることによって、めちゃめちゃ刺さるんですよ。





市場調査は日本にいてもできる
Facebookグループでもいいし、インターナショナルカフェでもいいし。日本人とインターナショナルな人たちの交流の場ってけっこうあるんで、僕だったらそういうところに行って、いろんな国の人と仲良くなって「こんな商品サービスを海外展開しようと思うんだけど、どうかな? みんなだったら買うかな?」って。
買わないんだったら「なぜ買わないのかな?」って日本にいる外国人に10人でもヒアリングすると、めちゃくちゃ解像度上がるんで。


「リアルボイスをぜひ、ください」っていうのを発信すると、海外にいるその人の友達が「おっ、お前、日本にいて、面白そうな商品・サービス知ってるな」ってなったりして。
「実は日本にはこういうものがあって」って言ったときに「それ、こっちの国で買えないの?」ってなったらニーズがあるなって。


売り込みやすいのは「特化型」

企業と女性のマッチングアプリで、女性に意見を聞けたり、アンケートを取れたり。あとミステリーショッパーとして会員に動いていただくようなアプリなんですね。いま開発中でベータ版が出来上がってるんですけど。
それをこの前、タイの経営者さんにお見せしたところ、「これタイでもできるね」ってなって、向こうのリストホルダーの社長さんが、一緒に何かできないかなみたいな話をしてくださっていて。
今まさにそのアプリを海外展開させたいと思ってるんですけど、アプリで海外に勝負かけるって、けっこうな資金調達しないとっていう感じで。
システムやコンテンツで海外に勝負する大変さに、ちょうど直面しているところなんですけど。「日本発のシステム」を海外に持っていくときのコツとかってありますか?
例えば「Halal Navi」っていうサービスがあるんですけど。これはムスリムに特化した旅行案内なんですよ。日本の方が作ったんですけど。これめっちゃ流行ってます。

画像引用:Halal Navi公式サイト

Instagramだけで63万人フォロワーがいて、世界中でサーフィン好きっていう共通項を持った人が、ただただ自分のサーフィン動画をあげているだけなんですけど、めちゃめちゃ盛り上がってて。
こういうの「パッションテック」っていうんですよ。

画像引用:NobodySurf公式サイト

あとは広告ですね。年間数千万っていうPV数があるんで。こういうのって言語がいらないじゃないですか。


説明書を用意しようとするとコストがかかりますよね。でも海外の人が見たときに「これってサーフィンのサービスだよね」、「ムスリムのレストランだよね」ってわかるのは大事ですよね。
メルカリの海外展開したときも、そこを大事にしました。パッと見たときに「これなに?」って考えさせちゃダメなんです。「あ、これってフリマのECサービスだよね」っていうところから消費させるのがすごく大事ですね。


これからちょうど世界展開していこうとしてるんですけど、それも見てわかりやすいと思う。これまで「ラーメン食べたいけどハラルじゃないから」って諦めた人がいっぱいいるのかなって思うし。機内食なんかは開発が進んでない部分もあったりすると思うから、すごくいいなって。
海外に住んでると、日本では当たり前だったものが「あ、あれがない、これもない」っていう気づきがたくさんあるんですよ。

海外事業を考えるポイントから、日本でできる海外市場調査の方法まで、具体的なノウハウがふんだんに語られた鼎談前半。
後半は検索方法や人脈作りのしかたなど、具体的なステップへと話が深まっていきます。
後半の記事はこちらからお楽しみください。
横辻悠太氏主催
無料オンラインフェス
「事業家から教育を変えるフェス」は7月5日〜9日に開催。
40名の成功者が「人生を変えた学び」を語るオンラインフェスに清田氏、佐々氏の両名が講師として登場します。
ぜひみなさん、ご参加ください。
社外アイデア企画室は
企業の海外進出をサポートしています
社外アイデア企画室は、東南アジアを中心に企業・商品・サービスの海外進出をサポートしています。
興味のある方は「こちら」からご相談ください。