ヒットの法則が満載!最新の通販戦略「ミニマム通販」を徹底解説
「ものを売ろう」と思ったとき、あなたは売れるものをつくる努力をしますか?
宣伝や営業に力を注ぎますか?。売れる仕組みづくりをしますか?
マーケテイングにはさまざまな手法がありますが、いま、一番の勝ち筋といえるのが「ミニマム通販」です。
社外アイデア企画室のCMOであり、通販コンサルタントとして圧倒的な実績を誇る西村公児が生み出した「ミニマム通販」という言葉。
販売を行っている企業はもちろんのこと、物販などをしている個人にも、十分効果的な「ミニマム通販」を解説します。
目次
小資本で利益の最大化を図る
ミニマム通販
「ミニマム通販」とは、西村公児が提唱する新しい通販ビジネスモデルで、特に中小企業や個人事業主向けに設計されたものです。
このモデルは、「売ってから作る」という発想を中心にしており、従来の「作ってから売る」方法と対照的です。
これにより、在庫リスクや初期投資の負担を大幅に減らすことができ、少ない資源でも効率的にビジネスを展開できます。
まず市場の反応を見る
この方法では、まず市場の反応を見てから商品を製造するため、無駄な在庫が発生しにくく、リアルタイムで顧客の声を反映することが可能です。
ポイントはSNSを活用したインフルエンサーマーケティングやファンマーケティング。
十分に市場調査を行い、当初から顧客ニーズに合った満足度の高い商品を生み出すことを可能にします。
顧客をファンへと育成
この手法は商品だけでなく、体験(コト)の提供にも優れています。
SNSなどで、顧客との距離を縮めることで、顧客をファン化してリピート購入を促すことが可能に。
これにより、少ない資本でも持続的なビジネス成長が期待できます。
コミュニケーションを重視
「ミニマム通販」は、特に資金や人手が限られている事業者にとって効果的なアプローチです。
成功するためには顧客とのコミュニケーションを大切にし、常に柔軟に市場の変化に対応することが求められます。
大手の成功事例から学ぶ
ミニマム通販の取り入れ方
ミニマム通販は小規模事業者に最適な通販手法ですが、大手企業の成功事例の中にも、ミニマム通販と通じるものを見つけることができます。
この記事では、大人気で品薄状態が続く株式会社コメダのお線香を紹介します。
珈琲好きの故人を偲ぶ
画像引用:株式会社コメダ
コメダ珈琲店を展開する、株式会社コメダが販売する「ミニ寸線香」は、コーヒーの香りがするユニークなお線香です。
線香・ローソク業界でNo. 1のカメヤマ株式会社と共同開発。
コメダブレンドのコーヒー粉を使用しており、その香りは、まるでコメダ珈琲店にいるかのような落ち着いた雰囲気を作り出すとしています。
もともと、故人がコーヒー好きだった方への供養を考慮し、「コメダのくつろぎを届けたい」という想いで開発されたそう。
線香の燃焼時間は約19分で、煙が少なく、自宅での供養だけでなく、リビングでお香としても楽しめるため、ルームフレグランスとして利用している人も多いといいます。
公式オンラインショップや全国の雑貨店で販売していますが、コメダ珈琲店のファンを中心に高い人気を集め欠品状態が続いています。
インフルエンサーから一躍、人気に
画像引用:株式会社コメダ
コメダのお線香について、カメヤマ株式会社が公式「X」で情報発信したところ、多くの反応があったといいます。
そして、「X」で15万人以上のフォロワーを抱え、一児の母として投稿を行なっている女性が「珈琲専門店の入口の香り」と投稿したところ、なんと280万インプレッションを記録。
これで一気に人気に火がつき、公式オンラインショップでは売り切れが続いています。
ファンを味方に
画像引用:株式会社コメダ
コメダ珈琲店には長年のファンが多く、「毎朝、モーニングを食べにいく」、「コメダで友達と宿題をする」、「コーヒーを飲みながらパソコン作業」といった人が大勢います。
お線香は「コーヒー好きだった故人のために」と着想されたものですが、甘やかな優しい香りが部屋に広がることから、「自宅で使うとコメダにいるみたいな気分になれる」と、ファンたちを歓喜させています。
これにより、自宅に仏壇がない人のニーズも創出。
ファンは「本来の使い方」とは別の使い方を自分たちで見つけ、商品価値を高めてくれる存在。
そして、「自分で見つけた楽しみ方」を発信したくなるのがファン心理というものです。
さらに、そのファン心理をファン同士で共有し盛り上がりたいと言った習性に、コメダのお線香は見事にマッチしたと言えるでしょう。
確かなストーリー
画像引用:株式会社コメダ
便利なものが溢れている今の時代には、「似たり寄ったりなもの」を作っても注目を集めることはできません。
しかし、突飛なものを作るのも至難の業。
それではどうやって人々の興味関心を集めるかというと、「ストーリー性」を商品に持たせるのが得策です。
人々はストーリーへの共感で、商品に興味を持ち、試してみようかと考えるようになります。
コメダのお線香の秀逸なところは、このストーリー性。
コメダ自身は、この商品に関して何かしらのストーリーを発信しているわけではありませんが、「故人との思い出」は世の中の多くの人が持っているものでしょう。
つまり、お線香というアイテムを媒介に、多くの人がそれぞれのストーリーを思い描くことができるのです。
この商品が、「お香」や「フレグランス」として販売されていたら、きっと結果は大きく変わっていたのではないでしょうか。
この着想の秀逸さにより、企業側はお金や労力をかけることなく、商品の市場でのポジションを確実のものにしたのです
気取らないSDGs
画像引用:株式会社コメダ
コメダ珈琲では抽出後に出るコーヒー粉の98%を再利用しているといいます。
主には牛の寝床の敷料やたい肥として使われていますが、お線香にも抽出後のコーヒー粉が使われているそうです。
サステナブルな取り組みは多くの企業の課題となっていますが、消費者もできるだけ環境に優しい商品を買いたいと思うもの。
自分が好んで購入している商品がSGDsに貢献していると知れば、喜ぶ購入者も多いでしょう。
希少性がさらにファン心理を掻き立てる
画像引用:コメダファンサイト「さんかく屋根の下」
SNSで一気に認知が高まったことで、売り切れ状態が続いているコメダのお線香。
商品数が限定的であることは、ときにマーケティングにおいて優位に働いてくれます。
「とにかく使ってみたい」「他の人より先に使って、使用感を発信したい」と言ったファン心理を上手に刺激すれば、欠品の間も、人々の関心が薄れることはないでしょう。
徹底したテストマーケティング
画像引用:株式会社コメダ
全国に1000店舗以上を展開するコメダ珈琲店と、業界No. 1のカメヤマ株式会社が共同で開発したお線香ですが、決して企業規模にあぐらを描いた開発ではなく、徹底したテストマーケティングを行ったそうです。
ターゲット層の反応を見ながらフィードバックを重ね、改良を行ったことで、顧客ニーズに合致した商品が完成。
これにより、発売開始直後の情報がホットなうちに、世間の話題をさらい、SNSで「バズる」ことで売り切れになる、という一連の流れが、綺麗に描けるようになったと言えるでしょう。
大企業から個人まで
時代にマッチした「ミニマム通販」
コメダがお線香の開発・販売において行った手法は、小規模企業や個人でも、十分に取り入れていけます。
- ローンチ前の徹底したテスト
- フォードバックと改良
- SNSでの盛り上がりの創出
- 限定感の演出
- 心に届くストーリー性
- さりげないSDGs
これらはすべて、XやInstagram、Facebookを活用することで費用ゼロでも始められるのです。
また、すでにファンがいる企業なら、上のリストの「1」からファンとともに進めていくことで、短期的で驚異的なヒットも狙えるでしょう。
商品、体験、コンテンツ、どのような形態の販売にも向いているミニマム通販。
ぜひ、自社の施策に取り入れてみてください。
ミニマム通販について、もっと詳しく知りたい方はぜひ、こちらからご一読ください。
※「社外アイデア研究部」をオーディオで楽しみたい方はこちらからご視聴いただけます。