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アンバサダーマーケティングのメリットは?成功事例も紹介

#お役立ち情報  2023.11.17

社外アイデア企画室株式会社による企業研究。今回はB to Cの強い味方「アンバサダーマーケティング」をテーマにお届けします。

 

ここで紹介するのは有名タレントが高級ブランドの顔となるアンバサダーではなく、一般消費者が無償で就任するケースです。

  • PRの効率化
  • ファン育成の効率化
  • フィードバック収集の効率化

はもちろん、商品開発や事業拡大にも大きな効果をもたらしてくれるアンバサダーマーケティングの仕組みとメリットを詳しく解説します。

アンバサダーマーケティングとは

まずはアンバサダーマーケティングとは何かを解説します。

アンバサダーとは?

アンバサダーは「大使」「代理人」という意味の英語です。企業やブランドの「宣伝大使」「広報大使」というとイメージしやすいでしょう。

 

高級ブランドでは好感度の高いモデルやタレント、人気インフルエンサーがブランドイメージをさらに向上させるためにアンバサダーに就任することが多い傾向。

 

しかし、生活に根ざした商品を扱うB to C企業では「自社商品に深い愛着を持ってくれている一般消費者」を起用するケースが多いです。

 

アンバサダーの役割

①商品・サービスのよさを世に広める

アンバサダーは、商品・サービスに深い愛着を持ってくれている、いわばファン。魅力やメリットを世の中に向けて最大限に発信してくれると考えられます。

 

アンバサダーも、もともとは一般消費者であるため、利用者としての「生の声」は、耳障りのよい宣伝広告より、効果的に消費者の心に届くでしょう。

 

方法はインスタ・Tiktok・YouTube・Twitter・ブログなど。普段から発信力を持った人たちがフォロワーや世間に向けて、自身の影響力を最大限に発揮して、企業の「宣伝大使」として、商品やサービスをPRしていきます。

 

②利用者の声を企業に伝える

アンバサダーは、自社商品のコアユーザーであるため、アンバサダーの率直な意見は企業にとって大切なフィードバックとなります。社員が気づかなかった魅力を発見していたり、社員が想定していなかった使い方を発見していたり。

 

また、SNSで情報を発信していることが多いので、アンバサダーのフォロワーの声も同時に収集することができます。アンバサダーが自身のSNS内でフォロワーと築いている関係性は一種のコミュニティのようなもの。

 

そこで交わされる意見・疑問・要望から、企業は多くのアイデアを見つけることができるでしょう。

 

アンバサダーとインフルエンサーの違い

インフルエンサーがアンバサダーに就任するケースもありますが、いわゆるインフルエンサーマーケティングと、アンバサダーマーケティングは性質が違います。

 

インフルエンサーはさまざまな企業から商品紹介の依頼を受け、発信している人が多いですが、アンバサダーは基本的に1社を紹介します。

 

インフルエンサーが新商品を紹介する際は、「初めて使ってみた感想」を発信することが多いのに対し、アンバサダーは「使い方・魅力・感想・評価」など発信内容も多岐。アンバサダーは1社について、深く細かく発信するので、コアなファンを育てやすいのが特徴です。

 

アンバサダーは無償の場合も

アンバサダーは企業から正式に依頼をうけ、アンバサダーであることを名乗って情報発信をしますが、必ずしも有償とは限りません。情報発信に必要な商品の提供やサンプルの提供は受けるでしょうが、報酬が発生しないケースもあります。

 

アンバサダーはその商品・サービスの熱心なファンなので、無償であっても「魅力を世間に広めたい」という純粋な動機で活動している人が大勢います。

 

また、自分が応援している企業から「アンバサダーに選ばれた」ということが喜びにつながっているケースも多数。アンバサダーになることが、自分のインフルエンサーとしての価値の向上につながることもあるので、無償でもアンバサダーになりたいと希望する人はたくさんいます。

 

アンバサダーマーケティングの
メリットは?

①ユーザーの声がポジティブなPRになる

企業が公式SNSなどで商品・サービスを紹介すると、どうしても広告っぽくなり、消費者は「口コミ」を探したくなってしまうもの。

 

しかし、アンバサダーは消費者でもあるため、PRであると同時に口コミの役割もはたします。またアンバサダーのSNSのフォロワーから共感の書き込みが行われることにより、ポジティブなPRを増やすことができます。

 

②中長期的な宣伝ができる

インフルエンサーは発売時やサービス開始時、キャンペーンのタイミングでPRを行うことが多いですが、アンバサダーは「真のユーザー」なので、使用感や使いやすさ、使い方の工夫を中長期的に発信してくれます。

 

③見込み客が増える

アンバサダーのフォロワー全員が「見込み客」ということもできるでしょう。そのなかで、コメントや「いいね」をつけてくれるフォロワーはとくにエンゲージメントの高い見込み客といえます。さらに、アンバサダーのSNSを通じて自社サイトを訪れてくれる消費者がいたら、その人はファンになってくれる可能性が高いと考えられます。

 

このように、企業が自ら新規開拓をしなくても、アンバサダーの発信が効果を生み始めると、常に多くの消費者を見込み客として捉えることができます

 

アンバサダーマーケティングの成功例

アンバサダーマーケティングの先駆けというとワークマンを思い浮かべる人が多いでしょう。1人の女性が会社の売り上げに貢献しただけでなく、ムーブメントを巻き起こし、会社の方向性や将来性にまで大きく影響を及ぼした実例を紹介します。

 

ワークマン

画像引用:ワークマン公式サイト

◆工事現場や土木作業で使用する作業着や安全靴が主力商品。全国47都道府県で店舗を展開。現在は980店舗、売り上げ1698億円にのぼる業界最大手。

◆高機能作業着を安価に提供するメーカーとして有名。

◆溶接作業で使用する耐火性の高い作業着が焚き火に最適として、キャンプ愛好家の注目を浴び、カジュアルなアウトドアウエアを扱うように。

◆キャンプ、庭掃除、子供との外遊びなど、日常で使える女性向けカジュアルウエアを扱う「ワークマン女子」は社会現象になるほどの注目を浴びた。

 

アンバサダーマーケティングに
行き着くまでの経営政略

作業着や安全靴のみを扱っていたころは「建設労働者の減少」が会社の脅威となっていました。2014年時点で、労働者人口は20年以内に4割減少するとの見通しを立てていたワークマン。

 

作業員の数が業界売り上げの上限となる状況で、企業の拡大戦略に頭を抱えていました。またAmazonなどのEコマースで海外から安価な作業着を個人輸入できるようになったことも、ワークマンにとっては脅威となっていました。

 

きっかけはたった1人の女性

週1でキャンプに行くほどのアウトドア好きで、ブログがキャンパーから熱い支持を受けていたサリーさんという女性がいます。彼女が初めてワークマンで購入したのは溶接工が着る作業着。

 

火の粉が飛び散る溶接作業に適した作業着が、キャンプでのバーベキューや焚き火に最適とブログで紹介したことで注目を集めるようになりました。通常は2,000〜3,000着しか売れない特殊作業着の売り上げが一気に4,000〜5,000着に増加。

 

ワークマンの広報は彼女をアンバサダー1号に任命し、商品開発にも加わってもらうことにしました。そして、機能優先で味気ないデザインの「綿かぶりヤッケ」を女性でも着られるかわいい「コットンキャンパー」に改良。すると40万着を超える大ヒット商品になりました。

 

「ワークマン女子」の誕生

「作業着」という特殊な分野のみで商品を展開していたワークマンにとって、売り上げを伸ばすためには「顧客の拡大」が重要課題でした。しかし、サリーさんとの出会いによってワークマンは「女性のカジュアルウエア」という新機軸を確立。

 

「男性向けのお店」と認識されていたワークマンが「ワークマン女子」と銘打った「意外性」は社会に大きな驚きを与えました。

  • 高機能
  • 安い
  • かわいい

という時代のニーズをすべて詰め込んだコンセプトは一気に全国区に。世の中のブランドイメージが大きく刷新。ワークマンの服を素敵にコーディネートしSNSにアップする人も一気に増加しました。

 

企業とアンバサダーは相思相愛

画像引用:ワークマン公式サイト

現在、ワークマンのアンバサダーは男女合わせて50名以上。キャンプだけでなく、釣り、農業、バイク、ゴルフとさまざまなシーンでワークマンの衣類を紹介するアンバサダーたちですが、全員が無償です。

 

それでもアンバサダーになりたい人はあとをたちません。もともと彼らはワークマンの商品に深い愛着を持ち愛用している人たちなので、普段から商品への愛をSNSなどで発信しています。愛用者のオーガニックな発信はフォロワーへの効果的なPRとなり、企業にとって何よりの宣伝となります。

 

また、企業はそういった愛用者のSNSから、フォロワー数やインプレッション、エンゲージメント数を簡単に知ることができるので、「良質なアンバサダー」を容易に見つけることができます。

 

UGCが企業のマーケティングに
欠かせない時代に

いまは企業が、マーケティングや宣伝を行ううえで、UGCが欠かせない時代です。

 

UGC

User Generated Content(ユーザー作成コンテンツ)の略。企業ではなく消費者が作成・生成するコンテンツを指します。

  • Googleレビューの投稿
  • SNSの発信
  • Amazonや楽天の評価・書き込み

といったいわゆる「口コミ」もUGCですが、最近ではたんなる口コミを超えて、企業の魅力を世間に発信してくれるコンテンツとして、宣伝に大きな役割を担っています。

 

例えばユニクロのアンバサダーはスポーツ選手など有名人だけですが、一般の愛用者が「ユニクロコーデ」をSNSで紹介しているのを目にしたことがある人は多いでしょう。「フォロワー数を増やして自己の利益に繋げたい」という個人的な動機で行われているものがほとんどですが、「ユニクロ1週間着回しコーデ」や「ユニクロママお呼ばれコーデ」などさまざまな切り口で、愛用者が商品の魅力を発信していることは、一定の宣伝効果を生んでいると考えられます。

 

なぜ彼女たちの発信が効果を生むかというと「ライフスタイルに根差したコンテンツ」だからです。生活シーンのなかで、実際に愛用している人が発信する「本物の声」の重要性は今後さらに増していくでしょう。

 

アンバサダーが創出するワクワク感

これまで、新商品は

  • 商品の企画をする
  • 製造する
  • プレスリリースを行う
  • 宣伝をする

といった流れで、世の中へと発信されていました。

 

しかし、アンバサダーが商品開発に加わる場合、「企画会議に参加してきました!」といった段階からSNSなどで発信されることがあります。

 

消費者は「新しい商品が出るんだ」と楽しみに感じてくれるでしょう。またアンバサダーのSNSのフォロワーは「あの人が企画会議に参加しているなら、きっと素敵な商品が出来上がるに違いない」という期待感を膨らませるでしょう。

 

さらに、試作品完成から修正・改良・完成とステップを経るごとに、消費者は自分がその商品を手にして利用する様子を具体的にイメージできるでしょう。

 

このように、アンバサダーの存在により、消費者は商品の発売前からワクワク感を得ることができます。このワクワク感がユーザーを増やし、ファンを増やし、マイクロインフルエンサーを増やし、メガインフルエンサーを増やしていく原動力になると考えられます。

 

アンバサダーマーケティングに興味がある人は、ぜひSNSでハッシュタグなどを頼りに、自社のアンバサダーになりうる人がいるか、探してみてくださいね。

 

 

※こちらの記事は社外アイデア企画室株式会社が配信しているPodcastの内容をまとめたものです。配信は以下よりご視聴いただけます。

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